第4章 お弁当箱の中には
おひさま広場に着くと、律香と火神君はレジャーシートを広げていた。
穂波「ごめーん、お待たせーっ‼︎」
私はできるだけ元気な声を出して2人に声をかけた。
火神「お前、もう大丈夫なのかよ」
律香「穂波大丈夫?まだ具合悪いなら休んでてよかったんだよ?」
私は少し浮かない顔をしていたようだ。2人はそれをまだ具合が悪いと受け止めたようだった。黒子君は、何も言わなかった。
穂波「大丈夫大丈夫。それよりお昼にしようよ。私と律香でお弁当作ってきたんだよ?」
精一杯の笑顔でみんなに話しかけた。これ以上心配させたくなかったから。
火神「え、お前ら料理できんのかよ?」
律香「ちょっとー、失礼ねえ。これでも料理は得意です」
黒子「小坂さんも作ってきてくれたんですか?」
穂波「うん、あんまり美味しくないかもだけど…食べてくれるかな?」
黒子「小坂さんの作ってくれたものなら喜んで」
えーと、その笑顔は反則です。破壊力あり過ぎて心臓バクバクなんですけど。
せーの、でお弁当箱を開けると男子2人から歓声が上がった。
火神「すげーうまそーじゃん」
黒子「美味しそうですね」
律香のお弁当はカラフルでかわいい“女子のお弁当”だった。それに比べて私のお弁当は、なんていうか全体的に茶色い“お母さんのお弁当”だった。一応彩りとか考えて詰めたんだけど負けてるな、私。
箸とおしぼりとお茶を配って、みんなで手を合わせた。「「「「いただきます!」」」」