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雨に咲く花

第24章 次なる相手は


紫原「ちょっとー室ちん邪魔しないでくれるー?せっかく穂波ちんがクッキーくれるのにさー」

いや、だから私あげるとは一言も言ってないんだだけど。

氷室「へぇ、クッキーか。それはオレもご相伴にあずかりたいな」

はい?なんですとぉー⁉︎なんかもうあげるの決定になってるのは何故?

紫原「ダメー、室ちんにはあげない」

氷室「一枚くらいいいだろう?」

仲良くケンカされても困るんですけど。…まあ、仕方ないか。

穂波「あの、これみなさんで召し上がってください。少なくて申し訳ないですけど」

氷室「すまないね。ありがたくいただくよ」

紫原「えー、穂波ちんオレにくれるんじゃないのー?」

全然すまないとは思ってない爽やかな笑顔と恨めしそうな視線と、2人一緒に向けないでください。とりあえずクッキーの包みをヒウラさんに渡して、陽泉の人達に一礼する。

穂波「それじゃ、私友達が待ってるのでこの辺りで失礼します。試合頑張ってください」

氷室「ありがとう、頑張るよ」

紫原「んー、面倒くさいけど負けるのやだしー」

もう一度軽く一礼して踵を返すと、後ろの方で「何故じゃーっっ‼︎」という泣き声?が聞こえてきた。なんだろうと一瞬気になったけど、そのまま客席へと向かう。早くしないといい席取れないからね。それにしても、一体何だったんだろうあの叫び声は。
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