第23章 緒戦開始
景虎「本来試合で実力の100%を発揮するなんてことは不可能だ。どんなに集中した一流選手でもいいとこ80%、今までの青峰もその80%を出し切って戦っていた」
ドリブルで切り込む5番の人の前に、火神君と伊月先輩が立ち塞がる。
景虎「だがゾーンはその不可能なはずの100%を可能にする。しかも青峰クラスの100%は未知の領域だ。体感的には恐らく…今までの倍は速い」
2人でついていながら、何もできずに抜かれてしまった。気づいた時にはゴールを決められていた。
穂波「今の5番の人、ゾーンっていう状態なの?」
緑間「ああ…だがありえない…!流れの中で偶然ゾーンに入ったならまだ分かる…だが青峰は自分の意志で入ったというのか⁉︎」
よくわからないがゾーンは本来簡単に入れるものじゃないらしい。ごく稀にしかも偶発的にしか起こらないものなんだそうだ。それを5番の人は自力で入った。元チームメイトである緑間君も知らない、5番の人の本当の姿。一体何者なのあの人⁉︎
それでも誠凛は誰一人諦めない。きっちり2点返してきた。後5分、頑張って皆‼︎でも5番の人は止まらない。止められない。残り4分11秒…7点差まで開いてしまった。リコ先輩がタイムアウトを取る。火神君が何か話してるみたいだ。何を話してるんだろう。タイムアウトが開けると火神君が5番の人に1対1でついた。話してたのって、もしかしてコレ⁈確かに5番の人を止められる可能性があるのは火神君だけだけど、1人で大丈夫なの⁈案の定あっさり抜かれてしまった。やっぱり1人じゃ無理なんじゃ…。