第23章 緒戦開始
急がなきゃ、試合始まっちゃう‼︎海常の試合の録画を終えて律香との待ち合わせ場所へと急ぐ。結構席埋まってたから座れる場所も探さなくてはいけない。人ゴミの中を律香を探して歩く。
律香「穂波‼︎こっちこっち‼︎」
穂波「あ、律香お待たせ!早速だけど席取りに行こう」
律香と合流して客席へととって返す。客席はほぼ満席でなかなか二人分の席が見つからない。キョロキョロと探しているとようやく二人分の空席を見つけた。
穂波「律香、あっちの真ん中空いてるから行こう」
すみません、と声をかけながら空いてる席にたどり着くと見覚えのあるオレンジ色が目に入ってきた。もしかして…。
律香「どうしたの穂波?何かあったの?」
穂波「あ、うん。ちょっと見覚えのあるジャージ着てる人がいたから…」
なるべく聞こえないようにひそひそ声で話していたつもりだったがどうやら聞こえてしまったらしい。オレンジ色のジャージの一人が振り向いた。
高尾「あれ?穂波ちゃんじゃん久しぶり〜‼︎」
穂波「高尾君久しぶり。今日は皆で見学?」
高尾「まーね。初日一番の注目カードっしょ」
穂波「だよね。なにしろ相手はあの桐皇学園だし」
高尾「インターハイ準優勝校相手にどこまでやれるかお手並み拝見ってね」
穂波「悪いけど今度は負けないよ?絶対勝つから」
高尾君と話していると横から律香がつついてきた。
律香「穂波、知り合い?」
高尾「あ、もしかしてお友達?オレ秀徳一年の高尾和成。よろしくねー?」
穂波「高尾君、友達の神原律香さん。律香、秀徳の高尾君、一応友達なの」
高尾「一応てひどくない?穂波ちゃん」
高尾君がふくれっ面で抗議してくると、律香はプッと吹き出した。
律香「あはは、面白いね高尾君て。誠凛一年の神原律香です。よろしくね?」
高尾「よろしくねー、律香ちゃん」
高尾君そろそろ静かにしないとヤバいんじゃないかな?
宮地「高尾、何ナンパしてんだ轢くぞ」
高尾「スンマセン宮地さん‼︎」
ほら、黒笑い全開で睨まれてる。律香も驚いてるよ。と、そこへドッと歓声が上がる。誠凛の選手が入場してきた。続いて桐皇の選手が入場すると会場は更に大きな歓声に包まれた。