第22章 開幕
穂波side
買ったばかりのコートとブーツ、お気に入りのワンピ、髪は巻いてゆるくまとめた。今日はウィンターカップ初日。小坂穂波、気合い入れて参りました!誠凛バスケ部にとって初めての全国大会、彼氏の晴れ舞台とあらば気合いも入るってもんでしょう。
開会式を最後列で見終って、急いで外へ出る。今日も差し入れのレモンの蜂蜜漬けを作ってきた。一緒に食べられたらと思いお弁当も用意してきた。後はテツヤ君を探すだけ。はりきってるなぁ、私。
試合は午後からだけど午前中にも一仕事あるから早めに会っておかないと…。
幸いと言っていいのかわからないが、今日キセキの世代がいる学校で試合があるのは海常・桐皇だけ。桐皇はウチと対戦するから、後は海常だけだ。私は律香に頼んで海常の試合を録画してもらうことにした。反対側の客席から私も録画する。ウチの試合開始時間ギリギリになっちゃうけどなんとか間に合うだろう。情報は少しでも多い方がいい。私ができることはこれくらいだから頑張らなきゃいけない。
テツヤ君を探して関係者出入口を目指す。まだ中にいるはずだから着いたらメールして外に出てきてもらおう。でもこれ、外も人ゴミすごいなぁ…。関係者出入口まではなんとかたどりつかなきゃ。がんばろ、私。