第20章 邂逅
黒子「…桃井さん、すみませんが僕のことは諦めてもらえませんか?僕にはもう誰よりも大切な人がいるんです」
桃井「テツ君⁈」
黒子「僕はもう何度も彼女を傷つけているんです。でもその度に彼女は僕を許してくれました。きっと僕の知らないところでたくさん泣いたに違いありません。それでも僕を好きだと言ってくれる彼女を僕は大切にしたい。もう傷つけたり泣かせたりしたくないんです」
桃井「…テツ君…」
黒子「彼女を傷つけるものはたとえそれが僕自身であったとしても許せない。だからもし君の存在が彼女を傷つけるものであるなら、僕は全力で排除します。でも僕は手荒なことはしたくありません。だからすみませんが僕のことは諦めてもらえませんか?」
桃井「…テツ君は本当に小坂さんのこと好きなんだね」
黒子「もし彼女が少しでも悲しそうな顔をするぐらいなら、僕は桃井さんが号泣しても構わない。それくらい彼女のことが好きなんです」
桃井「私じゃダメ、なんだね」
黒子「はい。勝手なことを言ってすみません。でも僕が大切にしたいと思っているのは彼女だけなんです」
桃井「…そっか。テツ君がそう言うなら仕方ないかぁ…。でも今すぐは無理だからもう少しだけテツ君のこと好きでいさせて?テツ君の迷惑にならないようにするから」
黒子「それは構いません。ただ僕の大切な人をこれ以上傷つけたり悲しませたりしないでください」
桃井「…うん、わかった。ごめんねテツ君。お幸せに」
黒子「本当にすみません桃井さん。でもこれが僕の正直な気持ちなんです。だから…」
桃井「うん、私は大丈夫だから気にしないで?それじゃ私もう行くね」
黒子「はい、さようなら桃井さん」
桃井「…さよなら、テツ君」
本当にすみません桃井さん。君を泣かせてしまうのは二度目ですね。だけど僕には穂波さん以外考えられないんです。だから、本当にすみません。