第3章 えんそくえんそく
穂波side
穂波「あ、おはよう黒子君、カザミ君」
火神「だから火神だっつってんだろ小坂」
黒子「おはようございます小坂さん」
穂波「あはは、ごめーんカガリ君」
火神「今のぜってーワザとだろ」
4月も終わろうとする頃、私が人の名前を覚えるのが苦手だということはクラス公認になっていた。今では誰も怒らないし、むしろ「誰がどんな風に間違えられるか」がネタになっているようだった。
律香「穂波おはよう〜」
穂波「おはよう律香」
前の席の神原律香(かんばら りつか)さん。
入学してすぐに友達になった、私が名前を間違えない数少ない人の1人。
律香「今日のLHRで遠足の班決めするんだって」
穂波「班の人数って決まってるの?」
律香「うーん?だいたい4人から8人ぐらいまでだって」
火神「遠足って…ドコ行くんだよ?」
穂波「遊園地だよ?聞いてなかったの?」
黒子「火神君この間のHR寝てましたから」
律香「ぅわ⁈黒子君ドコから…てかいたの⁈」
黒子「始めからいました」
穂波「律香が来る前からいたよ?」
いつも通りなやりとりが始まると、先生がやってきた。
「おーいお前ら席に着けー」