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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第158章 番外編《それぞれの“これから”のすごしかた》





部屋に入って来てから一度も声を発していないエルヴィンに抱きしめられたまま、静かで温かみに溢れた時間が過ぎてゆく。



モブリットやリヴァイの体温を感じた時にも思ったが、生まれ変わって出会った今も、みんなにとっては“前世”で過ごした時も、この温もりは全く変わっていなかった。



転生したならどこか変わっていてもおかしくないし、むしろ私のことを思い出さないまま生涯を終えても、不思議はなかっただろう。

それでもみんなこうして私を思い出し、また同じ温かさを与えてくれた。






自分の半生が幸せに満ちていた、なんて言い難い。


でも、みんなと出会い、共に過ごした1年間、
そして、これからの人生は、必ず幸せで充実したものになる、そんな確信を持っていた。





「……ずっと凛の温もりを恋しく思っていたが、こうして抱きしめていると“前世振り”なんて遠い昔に感じた温もりだとは思えないくらい、身近にあったもののように感じるよ。」


耳元で聞こえるエルヴィンの穏やかな声が心地良い。



声を発さないままに、エルヴィンの肩に顎を置いたまま頷くと、エルヴィンの身体は少し離れ、碧い瞳が私の視界を満たした。




「相変わらず君は綺麗なままだね。」

「……エルヴィンの方こそ。
前世より綺麗になった感じするけど。」

「そうか?
だが、戦っていない分、身体に傷はないよ。」


見てみるか?と、シャツのボタンを外そうとする手を咄嗟に掴む。



「待った!それはいい!」

「まぁ、これから見せる機会はいくらでもあるからな。」


悪戯っぽい微笑すら色気を帯びている。

本当に彼は“相変わらず”だ。

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