第158章 番外編《それぞれの“これから”のすごしかた》
「リヴァイはボディーガードをしていたんだな。」
「……話、聞いてたの?」
「聞いていた…というより、聞こえたんだよ。」
どう違うんだ?と問うより先に、エルヴィンは再び口を開く。
「リヴァイらしい。
リヴァイに守られていた要人は、さぞ安心して暮らせただろうな。」
「そうだね……
リヴァイは替わりがきくからいつでも辞められるって言ってたけど、やっぱり辞めるのはすごく惜しまれる気がするよ。」
「それでもリヴァイは君と過ごす時間の方が欲しいんだろう。
きっと彼は他の仕事でも力を発揮できるから大丈夫だ。」
大きな手のひらが、頭頂部から毛先までを丁寧に撫でる。
この優しく繊細な撫で方すら変わっていない。
エルヴィンは転生してからも、こうして女性を撫でたことがあったんだろうか。
……また余計なことを考えてしまった。
三年経っても、自分からヤキモチを妬きたがる性質は変わらないらしい。
もっと余計なことを考えるより前に、話題替えを試みることにした。
「エルヴィンは何の仕事してるの?」
「色々だな。」
「……色々?」
想像していた返答とはまるで違う答えに、自然と首が傾いた。