第158章 番外編《それぞれの“これから”のすごしかた》

肩に凛の深いため息が落ちてくる。


これはどういう意味のため息だ？


横目で凛に視線を寄越すと、同じく横目でこっちを見ていた凛と視線が絡んだ。



「どうした？」

「……いや、想像したら、めちゃくちゃ格好良いなぁって思って……」


そんなことを考えてのため息か。

まだ頭の中で想像を巡らせているのか、凛の瞼は閉じられる。


少しニヤついた頬に、そっと唇で触れてみると、凛の身体が跳ねると同時に、大きな瞳が揺らいだ。



「なっ、いま……！」

「頬に唇を当てただけだろ。キスじゃねぇよ。」

「え、そう、…なの？」

「ああ。」


簡単にキスじゃないと認めてんじゃねぇよ。

こんなことを次二人きりになる予定のエルヴィンとしたら、黙ってはいねぇぞ。


完全に自分の発言と矛盾したことを考えながら、また凛の頬を唇でなぞる。

この頬の感触だけで、下半身は熱を纏ってきていた。


頬から耳輪、耳垂を通った唇を首筋にまで這わせる。

腰を掴んでいる凛の手に力が入り、我慢しきれなかった緩い吐息が小さく零れる。


凛の身体も、きっと込み上げてくる欲求で疼いている。

それを容易に察し、唇で鎖骨を挟みながら、舌先で刺激した。