第2章 テニスの王子様/氷帝/
「よし、全員揃ったな。じゃあ始めるぞ!」
パチーンと軽快な音が跡部邸に響く。
が、「フッ、決まったぜ」と満足気にしている跡部を見ている者など何処にも居なかった。
しいて言えば隣に立っている樺地くらい。
他の皆は……忍足の作るたこ焼きに夢中だった。
「すげすげー!めっちゃうまそーだCー!」
「流石関西人、上手いですね」
「俺だってこれくらい出来るぜ長太郎!」
今回一応クリスマスパーティーなのだが、「パーティーといったらたこパーやろ」という忍足の関西精神が今のこの状況を作り出している。
跡部邸に似つかないたこ焼きセット。
しかもかなり本格的な道具ばかり。
それを手配したのは跡部なので、注目を浴びれなくなってしまったのは自業自得とも言える。
「おいお前ら、いつまでそんな物作ってるんだ?アーン?」
だが跡部は特に気にしていない。流石はキング。
本人が満足出来ればそれでいいのだ。
しかしそんな跡部を気にしてしまった人が1人だけいた。
その人も初めは忍足のたこ焼きを作る手さばきに感心していたのだが、跡部が後ろから声を掛けて来て「あ!跡部先輩を忘れてた!」と思い出したのである。
部長になんて失礼な事を…!と、慌てながら振り返るのは……
マネージャーのだ。
『すみません跡部先輩…!決して忍足先輩の華麗なピック捌きに夢中になっていたわけではなくて!』
「という事は夢中になってたんだな?」
『ギクッ』
「バーカ、別に気にしちゃいねぇよ」
は悪気はなくても、つい本音をこぼしてしまうタイプ。
皆は勿論、跡部もそれを理解しているから怒らない。
寧ろ素直で可愛いと支持を集めるくらいなのだ。