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タイムマシンは幸せの鍵【銀魂】

第7章 月の桂


というわけで何故かヅラのお勧めのお店「北斗心軒」の前までやって来た私。

やって来たのは良いんだけど…

『すいません桂さん。私やっぱり帰ります』

桂「ん?どうかしたのか?」

いやー、ここで言うのもアレだなぁ…

『何でもないんですけど…あの…帰ります』

キョトンと小首をかしげるヅラ。

桂「だが、腹が空いているのだろう?」

『いや、そんなことは…』

ググウウウウ

『…』

桂「ベタだな」

『ぐっ…』

何てタイミングのいい腹なんだ。

桂「どうかしたのか?」

『お財布…忘れてきたんです…』

言っちゃったぁぁぁ!
これじゃタカッてるみたいじゃん!

桂「財布?」

ほら見て!この怪訝な顔!
整ってるから尚のこと心に刺さる!
違うんです…!

桂「何だそんなことか」

『いやホント違…え?』

そんなこと?

桂「元々今日は奢るつもりだったからな。大した問題ではない」

『お、奢る!?』

なぜ。

桂「勝手に誘っておいて金を払わせるわけが無かろう。だがちょうど良かった。もし貴様が財布を持っていたら払わせてはくれなかっただろうからな」

『え、でもそれじゃ悪い…』

桂「じゃあ少し頼まれてはくれんか」

『…は?』

困ったように眉間にしわを寄せ、腕を組んだヅラは言い訳がましくボソホソと語り出した。

桂「俺は先日この店の店主と喧嘩をしてな。この店に立ち入ることはできん。だから蕎麦を一人前買ってきてくれんか。貴様の分は好きな物を買ってくれば良い」

そう言って自分の財布を渡すヅラ。
見ず知らずに財布預けるとか…この人絶対詐欺にあうタイプだ。

『わかりました。じゃ、じゃあ行ってきます』

桂「ああ」

私は突然の不思議な出会いに戸惑いながら「北斗心軒」の暖簾をくぐった。
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