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【ハイキュー‼︎】短編夢集

第2章 惚れた弱み[月島蛍]


暫くして、後ろからついて来る足音が無くなった。
一息吐いてから、いつの間にか着いていたらしい保健室の扉に手を掛ける。しかし、開かない。
やばい、今日は保健室の先生非番だったか。
こんな日に限って、筋を痛めるとはツイてないな。全部月島蛍の所為だ。本日2回目の溜息を吐き、踵を返そうとした時、横から出てきた腕に鍵を開けられた。一体誰だと後ろを振り返ると、そこには月島蛍の姿。
暫く見つめていると、月島蛍はそんな私を怪訝に感じたのか不機嫌そうな顔をする。
「入らないの」
「え」
月島蛍はそう言うと、私の腕を取り保健室に入った。それから、私を椅子に座らせ冷凍庫へ近付く。
一体コレはどういうことだろうか。月島蛍は何故こんな事を。
「ほら、首見せなよ。痛いんデショ」
冷凍庫から、アイシング用品を取ってくると月島蛍は私の背後へ回る。
「自分で出来る」と言ったら「僕の方が慣れてるから、黙ってて」なんて言い返されてしまい、何も言えなくなった。
どきどき、と高鳴る鼓動が煩い。止め、止め、と言いながら制服のリボンを外し、ボタンを第二まで開ける。
月島蛍の手が首に触れた。
先程は教室だったこともあり隠し通せたが、今は訳が違う。保健室には周りに誰もいない、2人きり。紛らわす物も相手もない。
次第に胸の鼓動が強くなっていく。先程当てられて冷たいと感じた氷のうの感覚も感じなくなってしまった。
どうしよう。とてつもなく恥ずかしい、逃げ出したい。
ぐるぐるとごちゃまぜになる思考。もう、これ以上は無理、と思った時だった。

「君さ、僕の事好きデショ」

予想もしていなかった言葉に思考がショートする。
今、月島蛍は何と言った?いやいや…私の聞き間違いか。好き過ぎて私がおかしくなったに違いない。
あーやだやだ、と心で呟きながら、馬鹿な自分に笑いを溢す。
「何笑ってるの。僕の事馬鹿にしてるわけ?」
不機嫌な声が背後から聞こえた時だった。
月島蛍の長い腕が私の腰に回り、後ろから抱きすくめられ身動きが取れなくなってしまう。
胸の鼓動が一気に速まった所為か、先程痛めた首筋がどくどくと脈打った。
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