第1章 勿論、返事はYes [菅原孝支]
最近、気になる奴がいる。
そいつは部活をやっている時以外、頭に浮かんで消えてくれない。
恋って言うものは酷く幻想を抱かせるもので、あいつの一挙一動で俺の心は振り回されてしまう。
目が合っただけで、もしかしてずっと俺を見ていたのではないかと思ったり、身体なんか触られれば気があるのではないかと馬鹿な男は勘違いをしてしまうのだ。
あいつを見る度に、ドキリと心が弾む。
話し掛けられれば、緊張で頭が上手く回らなくなる。
笑い掛けられれば、すごく幸せな気分になる。
完全に、俺は排田に溺れてる。
このどうしようもない気持ちをどうすべきか、その術をまだ知らない。