第3章 藍染惣右介
「…う」
目が覚めると、私は飛び起きた。
だって見覚えのない部屋に、綺麗な着物を着て布団で寝ていたから。
…なんで、こんな所にいるんだろ
昨日みっちゃんと遊んで、それで…
「…っ」
鮮明に思い出した、昨日のこと。
お父さんが、お母さんが…お兄ちゃんが…消えちゃったんだ。
また、涙が溢れてきた。
その涙を必死にこすって誤魔化した。
「失礼するよ」
部屋の障子を開け、入ってきたのは…
「おや、起きたのか。お早う」
眼鏡の茶髪の死神だった。
「ひっ…」
反射的に、部屋の奥に下がる。
この人は誰なのか知らないし
なによりこんな所に連れてきたのだから警戒するのはおかしくない。
「あぁ、ゴメンね。警戒するのも無理はない、説明もしてないからね」
そう微笑むと、この死神は私に向かい直り正座をして真っ直ぐ目線を合わした。
その綺麗な瞳に、私は目が逸らせなかった。