第7章 市丸ギンと私
__ギンサイド
『藍染惣右介』
それは、ボクが倒すべき相手。
乱菊の取られたもん取り戻す為だけに、ボクは死神になることを決意したんや。
真央霊術院に入学したボクは、
あまりの運命の巡り合わせに笑うしかなかった。
たまたま隣に座っていた女の子…
一目見て、「綺麗や」そう思った。
同い年くらいなんに、凛としていて優雅やった。
そして…
「…藍染主人公の名前」
そう聞いた時、思わず笑いを浮かべるのを忘れた。
藍染という言葉に、全身が逆立つ。
せやけど、すぐにこれは好機やと思った。
ここで仲良くしとけば、藍染に入り込めるかもしれない。
この子も、藍染側の人間なのかはわからない。
が、まだ子供なのにそれを知っているとも思えない。
とりあえず、仲良くなって様子を見ることにした。
主席なだけあって、鬼道も斬撃も全てがトップクラス。
そこらへんの六回生よりも強かった。
…もちろん、ボクも。
「ギン?次、移動教室だよ」
「あぁ、今行くわ」
入学してから3ヶ月経って、
随分と主人公の名前も心開いてくれた…と思う。
…いつの間にか、主人公の名前に心惹かれていたということに気がつくのは、まだずっと先の話。