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屋上コンサート

第1章 初恋



「何々ー?隼人の好きな人の話?」

ガバッと俺に抱き着いてくるのは幼馴染の香奈。
俺にとってはなんでも話せる存在。

中学の時に1回告られた。
けど俺は「香奈をそんな風に見たことがない。ごめん」
と言って振ってしまった。

それから香奈は次の日口を聞いてくれないんじゃないかって悩まされたけど
俺の悩みとは裏腹に次の日の朝から俺に声をかけてきた。

俺は安心したけど目が赤かったから
泣かせたんだなってすぐに分かった。

それから俺は香奈を泣かせたくないって思うようになったんだ。

「香奈、いちいち抱き着くなよ」

「もーいいじゃんかーけち隼人」

「けちで結構」

「で、隼人の好きな人って誰?」

「それがー香奈ちゃん…いないんだってよー」

「もーいつになったらつくるのよー」

「うるせーなできねぇんだからしょうがねーだろ」

そんな俺に「おこちゃまー」とからかう。

しょうがねぇだろ…。
俺だって彼女欲しいっつうの!

「あぁーー!!!」

「なっなんだよ」

「やべぇ今日Nステじゃん」

あーNステね。
俺も見よっかなー。

「しかも今日は彩音がでるんだよー」

「マジかよ!!早く見てー!!」

は? あ、彩音?

「誰それ」

しーん

ん?
皆知ってんのかよ。
なんだよこれ、こいつ知らねぇのかよみたいな空気。

いや、知らねぇんだけど…。

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