【黒子のバスケ】人を外見で決めては絶対いけません!
第10章 気になるあの子
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昼休み、私は屋上で黒子君、火神君と弁当を広げていた。バスケ部に入ってからというもの、私達の距離も近づいたのか、共に行動することが多くなってきた気がする。私自身今まで固定の友達がいなかったから、嬉しくもある。ちょっと困ったことと言えば、お弁当のおかずをつまみ食いされるので、作る量を増やさなくてはいけなくなった事と、最近黒子君が優しくなった気がする事だ。
図書委員でも、力仕事は全てやってくれるし、部活動でも自分でいっぱいいっぱいだろうに、マネージャーの仕事も手伝ってくれる。帰りなんて鞄持ってくれるし。
まあ、毒舌を吐くのは変わらないけど、なんだか、他人に言う時と違って、オブラートっていうか、なんていうか。分からないけど、心がむずむずするんだよね。
最初が酷かったからそう感じるのかな。
うーん、と唸れば、
隣に座る黒子君が「もらいます」と言って私の弁当からミニハンバーグをとっていった。
「あ、ちょ、ハンバーグ!メインなのに!」
「ぼーっとしてる人が悪いんですよ。良いじゃないですか。あと2つあるんですから。」
むむむ、やっぱりこういうところは優しくない。
ぶー、と口を尖らせていると反対側から何か口元に。
口に目をやると、小さなパン(スコーン?)が。
「購買のおばちゃんが作ったからやるってもらった。
こんなちっせぇのだと食った気しねえから、やるよ」
火神君が笑顔で言う。
お言葉に甘えていただこう。
パクリと、火神君の手から食べると、バターの良い香りが鼻を駆け抜けた。
「おいしい〜」
と素直に感想を言えば、火神君は少し笑って「良かったな」と言う。この顔、他の子が見たら絶対惚れるよな〜なんて思いながら黒子君を見ると、彼はスマフォを見たまますごく嫌そうな顔をしていた。
気になったので、何かあったのかと問えば、「黄瀬君です」と言ってこちらに寄越した。