【黒子のバスケ】人を外見で決めては絶対いけません!
第2章 男は中身
わざとじゃなかったんです。
偶々だったんです。
いつも、涼しい顔で本を読んでいて、
女の子には気の利く紳士で
ちょっと他人より影が薄いけど、とっても頑張り屋さんな黒子テツヤ君。
まさか、彼の腹の中を見てしまうだなんて…
人って…外見で決めちゃダメなんだなあと、身に染みて感じている今日この頃です。
「よし、帰ろう」
バッグに筆記用具と課題諸々詰め込んで立ち上がる。
本日は先生との二者面談があり、それが予想意外に盛り上がってしまったが為か
優に18時を超えてしまっていた。最終下校まであと30分。
今や夏と云えど一人暗い中を帰るのはなんとなく怖い。
暗くなる前に早く帰ってしまおう、と校門へ急いだ。
学校から出て、10分程歩いたところに商店街がある。
私は通学上ここを通って行かなければならないのだが…。
「……?」
ふいに遠くの方で争っているような声が聞こえて神経を尖らせた。
なにか、トラブルでもあったのだろうか…?
早く帰りたい、けど気になる…。
うーんと少し悩んだ挙句、好奇心が結局勝ち、声が聞こえる方へ足を向けた。
この時、帰っていればよかったと、今心からそう思う。
私は軽率だったのだ。