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【東京喰種】chouchou

第12章 トーカの思惑



暗い部屋の中で一人、ベッドの上に寝転びながらウサギの人形を上へ持ち上げた。
目を閉じると、先程の光景が思い出される。



─────────────…………………




《ご好意に応えられず、申し訳ありません。》
◯◯さんは座ったまま、店長に向かって頭を深く下げた。店長はそんな彼女を穏やかに見つめる。
《良いんだよ、よく無事だったね。お友達の事は残念だけれど、私は君が無事だった事が嬉しい》
そんな事を言う店長を不思議そうな瞳で見つめる彼女。
《どうして、私…芳村さん達とは違うのに…
敵でしょう、あなた達からすれば。》
《そんな悲しい事を言わないで。私は、どちらも大切なんだ。喰種も、人間も。》
店長は彼女の手をとり、ぎゅっと握った………。



────────────…………


彼女は大切な人を守れなかったと言っていた。
目の前で、突然。
大切な人を亡くす気持ちは痛いほど分かる。
私は不意に遠い記憶の父親の事を想った。

あの人が悪い方向へいかなければいい。
人間なのに、喰種も人も分け隔てなく接する、あの優しい人が。

ウサギの人形をぎゅっと抱きしめる。
彼女の事を想いながら、私は浅い眠りに就いた………
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