第6章 熟思
『喰種対策局の人間には気を付けるように』
先刻、芳村さんに言われた言葉が過る。
再度確認してみたが、2人とも差し出された写真と同一人物に間違いない。
写真の中に居た白い髪の小柄な人と、黒髪の堅物そうな男。
特にその2人には要注意する様にと念を押されたのだ。
その2人が今扉の先に居る。
頭が上手く回らない。
私が喰種を匿っている事がバレたか?
そんな事を考えているうちにインターホンの音が止む。
帰ったかと思った時だった。
耳に入ったのは喰種捜査官の会話。
" 亜門イットー、鍵もらってきましたよー"
"…開けるぞ"
……ガチャリと、解錠される音を聞いた。