第2章 はじまりと決意
手渡されたボールをお礼を言いながら投げると、中からシビシラスが出てきた。
「よろしくね。シビシラス。」
[シビッ!]
シビシラスと戯れていると、ノボリさんが電話を終えたようで、こちらに近づいてきた。そして、その手に持っていた物を私に渡した。(あれ?ダジャレ?)
「・・・これは。」
「ヒトモシで御座います。」
大体予想どうりだよ。有難い。
そう思いながらボールをパカ、と開ける。
[モシッ]
「よろしくね。ヒトモシ。」
ズッキューン!ヒトモシ可愛過ぎる。
「沙織様。」
そろそろ良いか、とでも言うようなタイミングで話を切り出した。私は目で合図する。
「一応、話は通してありますが、すぐに用意出来る訳ではありませんので、二日ほど私達の家で生活していただきますが、それで構いませんね?」
「沙織僕達の家来るの?やったね!うれしい!」
「・・・・え?」
おい。今なんつった?
・・・この世界に慣れるのも、時間の問題。
少なくとも今は、ちゃんと気持ちを伝えられてる。ハズ。