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LEGANCE

第6章 西聖院学園と制度





朝早いからか廊下に人はいない。


2人の足音だけが静かに響いている。



「この学園はレガンスの種類ごとで編成されている。西のエリアで中学~高校生の子たちはほとんど此処に入学するらしい。

全寮制でクラスやランクによって部屋が異なってくる。
未来の担い手が一挙に集まっているから、奇襲なんかもあるよ。気をつけてね。」

「は、い。」


奇襲という単語がすぐに理解できず声がつまる。



「その白の制服、女の子が着るのは初めてなんだよ。」

「え、どうして?」

「戦闘型なんてただでさえ男が多いからね。ましてや女の子でSランカーの証であるその制服を着れる子なんていなかったから。

学園内でも戦闘型の女の子は1割だからね。
すごく注目されると思うよ。」

「・・・、本当にSランカーの実力があって着れたらよかったのに、偽りで着てしまうなんて。」

「記憶がないならレガンスの扱い方を忘れているだけってことだからね。まだ落ち込むのは早いよ。」



雪は頷き、自分の手のひらを見つめる。


少しでも早く思い出そう。

嘘でこの服を着たくないから。




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