第15章 別れた後はまた会いましょう
小さな剣客と指切りを交わした
彼は身も心も本当に強い少年で、その強さが眩しくて羨ましくなった
彼ならきっと必ず、強くなって戻ってくる
そう確信できた
帰り道、せっかく新橋まできたからという理由で
洋食店に行った
ここ最近ずっと泣いていた私をおちょくる左之助さん
これは彼なりの慰め方だと最近気が付いた
頭をぐしゃぐしゃにされ怒るが、彼は白い歯を見せて笑うだけ
私も、つられて笑った
誰かの視線に気が付き、その場所に目を移せば緋村さんがこちらを見ていて
どうしたのかなと思っていたら目を逸らされた
いつもならこういうことしないから心配になって
「どうしたんですか」と尋ねても「なんでもないでござる」と答えるだけ
不に堕ちなかったけど、でもそれ以上は聞かないことにした
これ以上聞いたら、いけないような気がしたから
聞いたら何かが壊れそうな気がしたから
だから私は、何も聞かなかった