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るろうに剣心【東京編】

第15章 別れた後はまた会いましょう




そして、一週間後
私たちは新橋駅にいた

由太郎君にいつもの元気さはなくて、どんな言葉を投げかければいいのかわからなくて
口から出そうになる慰めの言葉はどれも間違っているような気がして、何度も飲み込んだ

「旦那様、そろそろ時間が…」

このままでは本当に何もできないまま別れてしまう
そんなのは嫌だ
私は自分の腕を伸ばした
その時、私の横を小さな影が通り過ぎた

「由太郎!!」

その正体は弥彦君だった
振り下ろされた竹刀を杖で受け止める由太郎君

「てめえはこのまま…いじけたままで終わっちまう気かよ!!!」

弥彦君は言った
雷十太に裏切られてつらいなら、雷十太より強くなればいい
本物の雷十太ではなく、自分が夢に描いた理想の雷十太よりも強くなればいい
それができなければ、本物の負け犬だ、と

その言葉に由太郎君も反撃する
左手一本だけど、力強さは以前と変わっていない

「俺は絶対に剣術はやめねェ!やめてたまるか!!」

その言葉に私は救われた
卑怯だとか狡いだとか言われても構わない
私はただ、自分のせいで彼が剣術を嫌いになったかもしれないと怯えていた
でも、いま彼は剣術を続けると言った

その言葉が咄嗟にでた虚言だったとしてもかまわない
私は由太郎君を抱きしめた

「あ、あ…真愛さん?」
『ごめんなさい、由太郎君……。本当にごめんなさいっ』

抱きしめる私を、彼はゆっくり離して、そして真っ直ぐに私を見つめた

「謝んないでよ。真愛さんは俺を護ってくれたじゃないか。これは俺の不注意だから…。だから、泣かないでよ。俺、剣術やめないから!強くなってまた日本に戻ってくるから!今度は俺が真愛さんを護るから!!」

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