第2章 心の在処
「翠澄!翠澄!どこだ!?」
『なぁに?私は部屋におりますよ?』
叫ぶように呼び続ける亭主をよそに蒼彩はとても気だるげに返事をした
「そんな所にいたのか!朽木様がお待ちだ!早く来い!」
何故なのか不思議に思おながらも蒼彩は自分の部屋から出て朽木白哉のいる部屋へと向かった
襖を開 蒼彩はびっくりした
それは自分以外の全員がその場に居たからだ
蒼彩はそそくさと中に入り一番端っこの方に座った
その時不意に白哉と目があった気がした
けれど
「きゃあ♡朽木様と目が合っちゃった♡」
と言っている人が沢山いたので
どうせ自分ではないだろうと思いすぐに逸らしたのだった
しかし
次の瞬間白哉から放たれた言葉はその場の誰もが想像しなかった言葉だった
「では、一番右端にいる者にしようか」
そこにいたのは蒼彩ではなく
最近ここへ来たばかりの新人の花魁だった
誰もが白哉の言葉を疑い
信じられないと叫びたす者もいた
けれど選ばれた花魁と白哉が部屋へと消えていくと誰もがそれを納得するしかなかったのだ