• テキストサイズ

戦利品は己の手で

第2章 戦利品は敵国の宝



数日後、俺は数人引き連れて中国に訪れた。
民はみんな俺らを警戒していたがそれは仕方のない事だ。
西海の鬼であるこの俺が、中国の主であった毛利元就を殺したこの俺が堂々と町中を歩き回ってんだ。警戒しない方がおかしいさ。


「…なんか面白そうな宝でもないかねェ」

「そう簡単に見つかるわけはありませんわ」

俺の隣にいるのは正室、素性を明らかにしておらず未だに本名も明かしてくれてない不思議な奴だ。そんな奴だったから俺は此奴を正室にした。
秘密が多い程、それを暴くのは燃えるだろ?

「そうだ、珍しいものがお好きなのならばあそこへ行かれてはいかがかしら」

そういって指さしたのは俺のような国主のは縁がほとんどないだろう古びた屋敷だった。
話を聞けばここは珍しいヒトが匿われているらしく、主に捨て子が売られてくるらしい。正直俺は興味がなかったが誘われちゃあ断れないってな、立ち寄ってみることにした。

「へいらっしゃ…長曾我部様?!」

「悪ィな行き成り、珍しいヒトはいねぇか?」

「へ、へェ、おりますが…なんせ気性が荒くここへ連れてくるのも一苦労だった女がいますぞ」

それを聞いて俺は興味を持った。隣の正室も口元を隠して楽しそうに笑ってやがる。
此奴が喜ぶなら連れて帰ってやってもいいと思い、俺は気性の荒い女を高値で買い取って連れて帰ることにした。
金を渡して裏から出てくるときにもその女が発しただろう罵声が聞こえた。触るなとか、汚らわしいとか、どっかに姫さんでも攫ってきちまったんじゃねぇかと俺は思った。
出てくると女は深く笠を被っていて顔を確認することはできなかったが、身長は思ったより低く、着物はかなり高価なものを着せられているようだ。見た所手先も白く荒れてはいない。
余程箱入り娘だったんだろう、俺の目の前に立ってもお辞儀の一つもしやしねェ

「オラ、帰んぞ」

「いやよ、離して。絶対に嫌」

腕を掴んで無理矢理船に乗せたはいいが、女は身投げでもするんじゃねぇかというくらい海をじっと眺めている。
その様子を俺の正室は満足そうに見ていた。まァ妹ができたとでも思ってんだろ。




/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp