第7章 戦利品の輝きは
それから、数年後。俺は、天下をとった。
石田も、伊達も、真田も、島津も、統一してやった。
こうすればのすべてが俺の手に入るんじゃねぇかと、そう思っていた。
だが、それは違ったらしいな
「ねぇ、長曾我部」
は俺を苗字で呼ぶようになっていた。
「なんだ?」
「私、行きたいところがあるの」
「おう」
の行きたいところはすぐに連れて行った。
の行きたいところは俺にとっても行きたいところだ。
「」
「なに」
「愛してる」
「…そう」
苦しそうに微笑んでいるのはなりの優しさなんだろう。
あぁ、このまま夜が明けなきゃいいのにな。
「何処に行きたいんだ?」
「海岸」
そう言って俺を連れて来たのは対岸に中国が見える海岸だ。
まだ、まだ帰りたいのか、コイツは。まだ毛利が好きなのか、俺の気持ちは届いていないのか?
「…長曾我部、私、ここが好き」
「ここが?」
「そうよ」
振り返ったの顔は今まで見てきた中で一番きれいだった。