第6章 戦利品は壊れ物注意
「……俺は、何をしたらアンタの心を、全てを手に入れられる…?」
「…なにしたって、無駄、私、…もう何もないの」
何もないって、どういうことだ?
俺は、俺は与えてやったのに。
「何もないの」
ただそう呟く。うわごとのように、失くした、戻ってこない、どうして、と。
誰だ、コイツから奪ったのは誰だ。
…家康はもういない、鶴の字だって、他の側室もいない。
誰だ、誰が邪魔なんだ。
「…私、帰りたい」
「中国に、か」
「そう、帰りたい」
「駄目だ、ここがの居場所だ」
そう言っても聞く気がないようで、一度その目に捉えた俺はどこかへ消えたようだ。
「抱かれても、愛をささやかれても、喘げない、応えられない、駄目なのよ」
「そんなこたぁねぇよ…いるだけで、それで俺は良いんだ!」
「嗚呼、元就様…」
その名を聞いた瞬間、俺の中に何かが渦巻いた。見苦しい嫉妬だということはよくわかった。
駄目だと、心の中ではそう言っているのに俺の手はかってに動いての首を絞めつける。
「ッ、その名前をッ…言うな!!!」
「あっ、が、あ、ひっ」
「俺は、俺はアンタの中にいねぇのか?!」
「し、死、死にた、…いっ」
正気に戻れた。
両の目から流れるソレを見て、の顔を見て、俺は戻ってこれた。
何て事をしようとしたんだろうか、俺は…ッ!!