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戦利品は己の手で

第5章 戦利品と無用な絆



「元親!早速来てくれたんだな!」

「おうよ」

家康は嬉しそうに俺を迎え入れてくれた。

「殿は今日はいないのか?」

「…まぁな、体調が悪いらしくてよォ」

残念だな、と家康は笑う。
あぁ、そうか。アンタのその笑顔で、人懐っこいその笑顔でと絆したんだな。
俺の知らないところで、二人っきりで笑っていたんだろ?俺の知らないが、家康の中には存在して、そこで今でも生きているんだろ?
家康、アンタの顔を見ていればわかった。
の事が好きだってのはな。

「ところで、…戦でもしに来た恰好じゃないか」

「家康には返してもらわなきゃならねぇモンがある」

「儂が元親に?何かを借りただろうか?」

そりゃあ記憶にないだろうよ、そんなに必死に考えたってわからないぜ。
だってアンタは、無意識でとの記憶を仕舞っているんだからよ…。

「との過去だ。俺はソレを手に入れて、断ち切って、が俺を見てくれるようにしなきゃならねぇ」

「何を言っているんだ、殿とは夫婦なのだろう?お互いすれ違うことはあるとしても見ているに決まっている」

それに、と家康は続ける

「殿との過去は、元親、お前には渡せない。儂の大切な思い出だ。」

懐かしそうにほくそ笑む家康を、今までこんなに胸糞悪く感じたことはねぇ。
今目の前にいるのは、家康じゃねぇ、ただの男だ。
との過去での気持ちを引き留め続ける、ただの男だ。





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