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戦利品は己の手で

第4章 戦利品は束縛されている



「アンタを縛り付けるモノはなんだ?」

「…は、笑わせないで。自分自身だと気が付いてないの?」

「俺はを縛り付けてるモノをコレから退かさなければならない、そのために参考にまで聞いたんだが…そういうことか」

は未だ暴れまくる、仕方なく座敷牢に入れている。
さっさとここから出してはやりたいんだが、自由にさせていればここからいなくなってしまうかもしれないと不安が毎日襲ってくる、仕方ない、だろ。

「そういうことって、どういうことよ」

「お前の事が好きな奴が、縛り付けてる…そう言いたいんだろ?」

何も言わずに虚ろな目で俺を見つめる。その目さえ俺以外をとらえるのがイラつかせる。潰してしまいたい、俺以外を見ないでほしい、そうは思うが潰してしまったら俺さえも見てくれなくなると、それくらいはわかる。

「…私は、長曾我部元親、あなたが嫌いよ」

「ならこれから俺に夢中になる程愛してやるぜ」

「無駄、いい加減にしたらどうなの」

多分いい加減にしろっていうのは贈り物の数の事を示してるんだと思う。
だがそれを一度も間違いだと思ったことはない。これは俺からの愛の印だ。一つの形なんだ。不器用な俺にはこうやって形にするしかやりかたがわからねぇ。

「俺はがこっちを見てくれるまで続ける」

「やめて、見込みはないの」

鋭い目つきで俺を射抜く。これも、愛なのか。よくわからねぇ。

「のすべては俺のものだ、俺以外に執着することなんざ許さねぇ」

「随分と自分勝手なのね」

嘲笑うようには呟くと奥へ引っ込んでしまった。


さて、アイツの事が好きな人間は、誰だろうか。




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