第19章 バスケ部創部
相田
「…あのねぇ話聞いてた?バスケはイヤなの!
にしてもでかいわね!首いたい!」
木吉
「でもスポーツが嫌いってわけじゃないだろ?」
相田
「まーね!でもやなの!
もっと正確に言えば今の同年代、特に中学バスケ全体のフンイキが気に入らないのよ!
今の中学バスケは帝光中学校が他の追随を許さない圧倒的一強状態、高校で活躍する選手もほとんどそよOB、けどそれ自体に文句はないわ
そのまわりがみんなどこか勝つことを諦めてる。私がイヤなのはそこよ!
いくつかの部に声をかけられたけど、1番目指すくらいの本気じゃなきゃ引き受けるつもりはないわ!」
ツラツラと自分の思っている相田の目は本気ということが伝わり、その話を聞いていた伊月の脳裏には金髪姿の日向が浮かんだ
ちなみに相田は椅子に座った状態で、木吉はおよそ190強という身長で立っているため、誰であってもだいたい首は痛いはずだ
そんな風に相田から思いっきり拒否された4人は少し疲れた顔をしながら廊下を歩いていた
伊月
「はー…とりつく島もなかったな…」
小金井
「あとちょっとあの子こわいよー。キツいってゆうか…」
木吉
「何言ってんだよ。オバケの方がずっと怖いぜ!」
小金井
「いやそーゆーイミじゃなくて…ソッチが何言ってんの!?」
木吉
「まあ俺はホッとしたよ、一緒で。要は中途ハンパは嫌いってことだろ?」
木吉の発言に3人は驚いて固まっていた。そんな彼らを見た木吉は違ったのかと問いかけたが、そうだな!と賛同した
そして伊月は困った眉をして、木吉をそっと見ていた
木吉
「問題があるとすればどーやって本気を伝えるかだな…まあそれはあとでみんなで考えようぜ」
伊月
「うーん…それだけだと…どうかな?」
木吉
「ん?」
伊月
「相田の性格は木吉の言う通りなんだけど…日向は中学の時練習後さらに相田のジムを使わせてもらってて、その姿を1番見てたのも彼女だ
だからさっきの話も嘘ついてたわけじゃないけど、日向の言葉に言ってるようにも聞こえた」
その頃、日向は自分の窓際の席から校庭を見つめていた
つまり彼は、午後の授業をサボることをできなかったのだ