第19章 バスケ部創部
伊月
「……なんか最近ずっと不機嫌だな、日向」
日向
「…あたり前だろ!毎日大男につきまとわれてみろ、ご機嫌な方がどうかしてるわ!」
あんな運命的な出会いから数日間木吉はストーカーとは違うが、それに似たように日向に付きまとっていた
そんなとある日の休み時間、日向の後ろの席には違うクラスである木吉が、前の席には同じクラスの伊月が座っていた
木吉
「そう言うなよ。バスケやろうぜ、一緒に」
日向
「だからやんねっつの!」
伊月
「俺はいいけど…」
木吉
「マジで!?これであと2人だな!」
日向
「だから俺を入れんな!伊月!」
伊月
「いいだろ、俺はやりたいんだから」
日向
「勝手にしろ!けど俺はやんねーからな」
伊月
「あ」
椅子から立ち上がり教室から出ていった日向のことを呆れながら見ている伊月は溜め息を吐いて、木吉の方へと目線を送った
そんな伊月の目とは反対に木吉は普通に日向のことを見ており、彼に話しかけられてから目線を伊月に向けた
伊月
「…木吉くん、だっけ?」
木吉
「鉄平でいいよ」
伊月
「こりないね、なんでそんなに頑張るの?
そもそもアンタ「鉄心」の木吉だろ。バスケがしたいなら強豪校から引く手があまたのはずだ…なんでこんな学校にいる?」
木吉
「…いやぁ…その呼び方は苦手だな。てか学生につける呼び名じゃねーよ
別に理由なんてないさ…強いて言えば、近かったからかな」
伊月
「は!?」
そんな才能を無駄にしているような木吉の 発言を伊月は予想していなかったのか、普通に驚いた声を出していた
そんな伊月を分かってか、木吉はなぜこの学校を選んだのかを彼に説明し始めた