第19章 バスケ部創部
日向
「って、ってーな気をつけろよ!おま…」
木吉
「ん?」
日向
「(でけぇなーオイ!190以上あんじゃねぇのか!? 何食ったらそんなになんだ!)」
木吉
「悪い悪い気をつけるよ」
日向
「(力も強えな、運動部か?)」
伊月の視線に気づかなかった日向はのんびりと廊下を歩いていたのだが、まるで食パンは咥えてないものの少女漫画か、という風に木吉とぶつかった
木吉にバシバシと叩かれた日向のポケットからは外国のバスケ選手、レイ・アレンが待ち受けになっているケータイが落ちた
日向
「あ、俺のケータイ…」
木吉
「もしかしてバスケ好きなの?」
日向
「え?いやっまあ…
(やべ、圧倒されてつい…)」
木吉
「マジかよじゃあバスケ部か!一緒だな!俺木吉鉄平、よろしくな!
ちょうど俺今から入部届け出しに行く所だったんだよ!一緒に行こうぜ!」
日向
「はなせ!違ーよ!バスケ部じゃねーし!
そもそもこの学校にバスケ部はねぇ!」
木吉
「ない?そんなわけ…」
日向
「ねぇよ!」
木吉
「ハハハ…」
彼の待ち受け画面を見て仲間だと分かった木吉はパァァァ…と効果音を付けて彼の両肩を握りながら笑顔で自己紹介をした
だが日向のバスケ部はない。という言葉を信じないのか木吉は笑顔を絶やさず笑っていたのたが、その笑顔が消えると2人の間には沈黙が続いた
木吉
「…マジで?」
日向
「どこに持っていくつもりだったんだ!入部届け」
木吉
「なんだそっかーしょうがないな…じゃあ創ろうぜ!一緒にバスケ部!」
日向
「は!?なんでそうな…一緒に!?」
木吉
「ないものは作るしかないだろ、とにかくあと3人いれば試合できる!」
日向
「何勝手に俺をカウントしてんだよ!俺はもうバスケをやめたんだよ」
木吉
「え?そうなのか?」
日向
「他あたれ!じゃーな!」
木吉
「……」
木吉は去っていく日向の背中を見つめながら、 何かを考えているようだった