第15章 予選から
その後日向が敵ボールをスティールし木吉に回した
彼は先ほどと同様のシュート体制をとったため鳴海は後ろにいる伊月に他も警戒していた
だが木吉は跳んだ鳴海の横からドリブルを始めシュートを決めた
鳴海
「(クソがぁ。どう来るか全然読めねぇ…いや…そういう問題じゃねぇ
コイツのボールを手から放すタイミングは…)」
桜井
「遅っ…くないですか…以上に…」
今吉
「木吉はPGのパスセンスを持つ異色Cや。Cでありながらドリブル・シュートだけでなくパスも出せる
そしてDFはそのどれがくるか予測して動く。いわばジャンケン勝負みたいなもんや
だが木吉はその大きい手でバスケットボールをハンドボールのようにつかめることで、常人なら放してしまうタイミングでも選択を変更できる。つまり予測不可能というよりも、予測しても無意味なんや
奴は見てから手を変える後出しの権利を持っている」
鳴海
「(コッチの出方を見てから決めてんだ、読み合いにすらなってねぇ。止められっこねえ!…だったら)
くそっっ、力ずくで勝負だ!」
日向
「甘いぜルーキー!
(パスを積極的に組み込んだ木吉のスタイルを見てか技巧派Cと勘違いする奴が多いが…)」
木吉
「ナメんな1年ボーズ!」
日向
「木吉はCとして単純に、強い!」
鳴海
「うおっっ!」
木吉はダンクしようとした鳴海のボールを叩き落とし、こぼれたボールを伊月が拾った
そして黒子にパスを通し、火神にボールが回った
「何!?」
火神
「(さんざんフラストレーションためてくれやがって…俺だけまだいいトコねーし!
ゴールぶっ壊すぐらい…)
たたきこんでやる。くらえっっ!」
ベンチ
「行けぇー!」
川瀬
「(バッ…オイ!マジかよ!?)
たっ…高いー!」
勢いをつけすぎたのか彼はゴールに頭突きし格好悪く落ちた
ちなみにシュートも決められていない
ベンチ
「高すぎー!」
川瀬
「いやいや高すぎっつーか…ありえねーぞ!
ゴールに頭突きとか人間業じゃねーだろが!」
《第1Q終了です》
「すっ…すげぇぞ誠凛!夏とは完全に別格だ!信じられねぇ!」
木吉
「かわるか?」
黒子
「いえ、大丈夫です」
そんな中黒子は溜め息を吐き放心状態の火神の片足を持ち引きずって歩いていた