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【黒バス】透明な君に恋してる

第11章 気まぐれと笑って



「えっ!?」

「どうした、有栖。俺の顔がそんなに珍しいかい?」

「あっ……いえ、えっと……」

「早く顔を洗って着替えてこい。今日も練習に付き合ってもらうぞ。ドリンク作りを任せたいからな」

「うん……」


 何故か、自分の用意された部屋の布団で眠っていた。黄瀬が空気を読んで運んでくれた?

 未だ微睡みの中を彷徨う私に、征十郎は溜息をついた。


「まだ寝ぼけているのか? 水の入ったバケツでも必要か?」

「ううん、必要ない」

「……そうか」


 結局、夢は見なかった。



 着替えを終えると、昨日と同じ広場へ出ると既にアップを始めた彼らがあくびを噛みしめていた。


「有栖っち、おはようっス!」

「お、おはよう」


 黄瀬はいつもと変わらない胡散臭い笑顔を浮かべて、練習に参加していた。暫く観察していたけど、やっぱり特にいつもと違うところはなくて……昨日耳にした言葉を思わず嘘だと思ってしまいそうで。

 でも、たまに目が合うとあからさまにウィンクしてきたり、アイコンタクトを求めてきたりするので、とても些細な部分での変化はみられるような気がする。ほら、今度は手を振ってきた。

 はいはい、と半ば呆れモードで手を振っていたら、いきなり後ろから手首を掴まれた。

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