過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第13章 重すぎる愛の告白
「・・・・それが何を間違って『汚してやりたい』ってなるんだ?」
ミケが自ら地雷を踏む質問をした事にリヴァイが睨みつけるが
「そっちの方を聞かないとマズイだろう」というアイコンタクトに黙り込む。
いくら先延ばしをしても事実は変わらない。
この世界は残酷なのだから・・・。
「・・・・・・・・・よくわからぬが・・・」
「ちょっとー!!ここにいるの~?リヴァイ、ミケ~!
エルヴィンに襲われた子が泣きながら苦情言いに来たって本当っ!?」
ナナシが何かを言おうとした途端、
誰かがドアを激しく叩き誤解しまくった噂話を捲し立てた。
「余計ややこしくする奴が来やがった」とリヴァイは舌打ちし、
ドアを蹴りつけながら応対する。
「うっせーぞ、ハンジ。静かにしろ!変な噂を喚くな!」
「だって~!皆噂してるよ!何かリヴァイとエルヴィンが
その子を巡って三角関係とか」
「・・・何だとっ!?」
ハンジの言葉にリヴァイは顔に絶望線を浮かべ硬直する。
「あと、実は今その子とリヴァイとミケが3Pして・・・」
「やめろ!ハンジ!そんな事実ここには存在しない!」
「少しは女らしい発言をしやがれ、クソメガネ・・・・」
更に巻き込まれたミケが焦りながら否定すると、
ドアの向こうから「じゃあ、ここ開けてよ~」というハンジの声が
聞こえてくる。
「噂のエルヴィンの恋人、私も見たい~!」
面白がっているハンジに、リヴァイとミケは
「ハンジも巻き込んでやるぞ」という意気込みを胸に、
ドアの鍵に手を掛けた。
が・・・
「あ、エルヴィン!おかえり~。どこ行ってたの?」
聞こえてきたハンジの言葉に、
室内にいた三人全員が凍りついた。
あ、ヤバイ。
解錠する手を引っ込め、
リヴァイはドアの向こうの会話に耳を傾ける。