第2章 巡回
ギャラリーも散り、チェス一式も棚に戻して少し遅めのランチに入る。
先程までのギャラリーも各々の目的を行いにリフレッシュルームを出て行ったり、同じく遅めの昼食を取り始めたり談笑を始めたりして居た。
俺はと言うとカウンターへ注文していた料理を取りに行く。
ホロロ「はい、おまたせ。ランチで一番高い料理よ」
そう言って出て来たのは近年デュアルホーンを食用に繁殖させて出来たデュアルホーンステーキとロリカ同盟付近の山地で採れた山菜のサラダ。
お代をしっかりナギが払っているのを見届けてからトレイに乗った品々を受け取った。
似た様に俺に賭けたギャンブラー達が羽振り良い食事をしてるのを横目に見ながら、先程チェスを行っていた席でナギと共に昼食を食べる。
ナギ「くっそー……、いいカモだと思ったんだがなぁ」
ライト「いやー人の金で食べる昼食はウマイわー」
ナギ「」
チェスの時同様対面に座るナギは比較的安いサンドイッチと珈琲という軽食を口に運びつつ、こちらをじっとりとした目で見る。
ライト「男にそんなジト目されても嬉しくねぇよ」
ナギ「女子ならいいのかよ」
少なくとも男子よりは幾分か良い。
そんな他愛も無い会話を繰り広げながらお互い卓上の料理を平らげると、
ホロロ「はーい、デザートでーす」
ナギ「解せん」
なんということでしょう、お昼からフルコースではありませんか。
ホロロ「1番高い料理て言われたからホロロさん流ランチコースをご提供ですよ。これはサービスね」
俺にウィンクを飛ばしながら伝票をしっかりナギの元に置き、ホロロはカウンター内へと戻って行った。
ライト「匠の粋な計らいに感謝しながら頂きますわ」
ナギ「なぁ、ライト、このナギ様は今どんな表情をしている?」
口に運び掛けたデザートを一旦止めたが口に入れ、数十秒味わって答えた。
ライト「魔法銃を扱える仲間が居なくて、尚且つ装備している魔法がBOM系で蒼竜自慢自慢のドラゴンと対峙してしまった時の様な顔をしている」
ナギ「どうあがいても絶望じゃねぇか」