• テキストサイズ

明晰夢【進撃の巨人】

第5章 役目


またあの夢だ。

もう何度目だろう。

目を閉じても耳を塞いでも聞こえる、見える人の姿。

私が殺してきた人達だ。

どんな理由で殺されたのか。私にはその殆どが分からない。

聞き出す為に会話をする人以外その人が何者なのか詳しく分からない。誰も教えてくれない。

ただ一言。

『こいつを殺せ』

それだけで私はたくさんの人を殺した。

殺されても仕方ない人も居たかもしれない。

でも、私情で殺された人もいるんじゃないか。

私は人間だ。人を殺す道具じゃない。

私は何で兵士になったんだ?

私は人を殺すために兵士になったのか?

私は道具として扱われるために兵士になったのか?

私は上層の駒になる為兵士になったのか?



その答えを思い出すためには人を殺しすぎた。

もう私は…あの何か目的を持って訓練兵団に入ったときの私には戻れない。


……目的?

あるじゃないか。

今はちゃんとした立派な目的があるじゃないか。

私には今、心から信頼して一生着いて行くと決めた人が居るじゃないか。

その人の期待を裏切りたくない。

貴方は初めて私に会った時言ってくれた。

あの言葉は今でも覚えている。

嬉しかった。そしてそれまでの私を代えてくれた。


えーっと…何度も言ってるはずなのにいざ改まるとちょっと恥ずかしいな。

そうだ、今度休暇の時遊びに行きますよ。

その時、改めて言わせて貰います。




私を代えてくれてありがとう。そして私を救ってくれてありがとう













------さん。-----きですよ。
/ 173ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp