第4章 こんにちは二次元
今日は母さんも遅くなるという事で夕飯は外で食べてきた。
シャワーを浴び、もう少しだけ莉那から話を聞き出して部屋に戻った。
戻る直前、
莉那「隼人くんも明晰夢で進撃の巨人の世界行ってみたいの?」
って言われて少し焦ったが適当にはぐらかして部屋に入り、ベッドに横になる。
見慣れた天井を見ながら、見てきた世界のことを考える。
莉那の話だとアイトはキース教官と違い訓練兵との距離感も近く、皆も教官と言うより先輩って感じで見ているらしい。
…見ようと思えば明晰夢の応用で続きから飛び込める。
恐らくアイリスと昼寝した所だろう。
そうそう、最初に実在するキャラの視点になる筈がないと言った気がするが、それにはちゃんと訳がある。
それはそのキャラの心情や生い立ち。正にその人にしか分からないものを他人が操ることが出来ないからだ。
だから普通は実在するキャラになるなんて有り得ない。
明晰夢の中に居るとき、今までの夢の中なら国が違えど名前はずっとそのままだった。
隼人ならそのまま隼人だ。そもそも一個人なのだからあんな役職に就いている筈がない。ましてや隼人ではなく『アイト・レオンハルト』という居なかったはずの人物になる筈がない。
今回は久々なのと初回のインパクトが強すぎてすっかり忘れていた。
一度目が覚めれなかった事も気になる。
少し整理しよう。今回はおかしな事が一度に起こり過ぎた。
まず、夢の中での俺の視点。此処から何時もと違っていた。
知らないオリジナルのキャラとして登場し、尚且つそのキャラが原作に出ていた。
実在する人物の視点にはならない。なのにもオレは漫画にも出ているというアイトとして過ごしていた。これが二つ目。
三つ目。何時も夢の中で睡眠を取れば自ずと現実世界に帰ってこれる。にも関わらず、今回向こうで二日間過ごしていた。
駄目だ、頭が回らない。
オレはゆっくり目を閉じ、考えを一度止める。
もしかしたらアイトも元から居て、今回たまたまその視点になれただけだろう、そう自分に言い聞かせて眠りに就いた。
そうでもしないと考え込み過ぎそうだったのもある。