第3章 おはよう三次元
団長室にあったキッチンで調理をしながら、『お借りした』材料を持ち込み、諜報部皆でお昼御飯です。
皆さん明け方とは違い、仕事服から私服に変わっています。
新たな発見としてはリックとウェンが双子兄妹だということくらい。同い年なんだって。
アイリス「いやぁ、まさかアイトさんが御料理出来るとはー。お菓子だけじゃないんですね。意外ですよ意外」
ゲルハルト「以前シチュー作ろうとして調理室を大爆発させたアイリスに言われたくねぇよな、アイト?」
アイリス「リック、この薬をゲルハルトの皿に盛っておいて」
リック「あ、これ即効性の劇薬じゃないですか」
ウェン「一体何が始まるんです?」
アイリス「大惨事世界大戦だ」キリッ
ゲルハルト「キッチンにんな薬持ち込むんじゃねぇよ!」
キッチンに笑い声が響く。
今が人がバタバタ倒れるような世界じゃなければもっと楽しいのかもしれないのに。
アイト「元気だな。お前等・・・。(聞いた話だと)お前等冤罪で此処に転属されたんだろ?」
するとパン生地をこねていたウェンが手を止め、ニコッと笑って答えた。
ウェン「だってアイトさんが言ったじゃないですか。『どうせ今のアホな上層部連中に冤罪を訴えたって仕方ない。ならオレが二年以内に此処の状況を変えてやる。憲兵団より使える犯罪者集団だって。そして憲兵団より優位になったら皆の冤罪を証明してやるよ』って。僕らはそれで決めたんですよ。今の無能憲兵団より使える兵団になろうって。それに僕、アイトさんが好きですから頑張っちゃいますよ!」
ドキッとしたいが残念ながらオレは同性愛者じゃない。
まだ妹のリックに言われた方が大歓迎だ。
だが、丁度良かった。アイリスの言っていた来年、再来年までの意味が分かった。
オレが宣言したんだ。二年以内に憲兵団以上に有能な兵団にするって。そして其処で認めさせたら冤罪を証明すると。
下剋上みたいで格好いいな。
下剋上だぜ、(憲兵団を)つぶせ、ってか。
ウェン「あ、変な意味じゃないですよ?」
アイト「変な意味だったらアイリスの劇薬がウェンの皿に盛られるだけだ
から安心しなよ」
ウェン「それ遠回しに死ねって言ってますよね?!」