第12章 日本の夏! 壁殴りの夏!!
アイト「最近アニが絡んでくる」
リック「アニって、……あの金髪の女の子?」
アイト「そう。あの女の子」
自室で寝間着の俺等はベッドに腰掛け、最近の事を話した。
リック「アイトが飼い出したあの猫の繋がりでじゃなく?」
大きな要因は恐らくそうだろう。
それが元なのだろうが、何だかそれだけじゃない気もする。
前より表情豊かにはなったが、時折会うとあまり会いたくなかったと言うような暗い顔をする。
それもあって尚更分からない。
アイト「まぁ、心開くのには時間掛かるかもしれんが……。あぁ、それから駐屯兵団にも知り合い作った。」
リック「女性?」
うん、女性。銀髪眼鏡っ子のリコさん。
頷くとリックは白い目で、そして光の消えた濁った目で俺を見ていた。
リック「アイトから他の女性の話ばかり聞かされるのは些か不快」
アイト「嫉妬美味しいです。あ、ごめんなさい苦無投げないで」
机の上に置かれた苦無を持ち出してその濁った目でジッとこちらを見つめるその姿にはヤンデレの影が見えます。
苦無を見て思い出したが、ゲルハルトから受け取った日本刀まだこっちに来てから一度も使ってない。
いや、使わなくていいのだが流石に自室で太刀台に掛けられたまま装飾品状態にするのも勿体ない。
かといって帯刀するのは市民に不安を与える。
…………素振りでもするか。