第9章 探偵は風呂BARにいる(現在進行形)
湯船に浸かり、リックの話を一方的に聞いていた。
あ、大丈夫です。妹で慣れていますのでちょっと見た位じゃ動揺しません。
リックも『ウェンとよく入っていたから』慣れているそうです。
それはそうと本題です。
リック「さっきの脱走兵・・・少し妙なところがあった」
アイト「妙な所?」
肩まで湯に浸かっているリックはコクリと頷くと話を続けた。
それにしてもこの子は見た目は幼いのに・・・おっと。
リック「一つは立体機動装置を持っていた事。訓練所だけじゃなく立体機動装置の保管庫は厳重に施錠された上に二名以上の見張りが付く。訓練所の場合教官達が見張る」
アイト「訓練で使用してそのまま所持してたって可能性は?」
それに対してリックはすぐ首を振った。
リック「それは無理。使用後は管理チェックが入るから持っていたら直ぐにバレる」
機密事項というだけあってかなり厳重なようだ。
リック「もう一つは半刃刀身を所持していたこと」
ん? それの何処が変なのだろう。立体機動装置を持っていたのだから所持してたっておかしくないだろう。
リック「・・・半刃刀身と立体機動装置は別々に保管されている。だから二名付いている」
あぁ。納得。
脱走するなら立体機動装置だけ奪えばいいのか。
巨人と戦闘する訳じゃないから武器なら半刃刀身じゃなくても良い。