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〜Mint Candy Story〜

第44章 -紹介-(黄瀬/宮地)


宮地さんは特別なコトを
言ったつもりはないようで、
ビールを一口飲むと、
つくねを卵につけてパクンと食べ、
またビールを飲み、無言になった。


わたしも宮地さんのマネをして
つくねを1つ食べるけど、
どうしよう…話が続かない…


「あ…あの‼︎」


「なんだよ?」


「あの…宮地さん…こんなトコに来てて…
大丈夫なんですか?」


「何がだよ?」


「その…彼女とか…」


「はぁ⁈いねぇよ、んなもん‼︎」


え⁈いないの…?
絶対彼女にだけは甘いタイプだ…とか
でも、そんなの想像できない‼︎


なんて、勝手に思ってたのに…。


宮地さんは心底呆れた…という感じで、
大きなため息をついてわたしを見つめた。


「すみません…宮地さん、モテるから。」


宮地さんがモテるのは想像ではなく、事実。
会社でもかなり人気があるし、
こんな無愛想なのに、狙ってる人も多い。


「つぅか、彼女いたら、フラれた女に
わざわざ紹介されにくっかよ?」


「そ…そういう言い方…‼︎
フラれたフラれた、連呼しないでください!
けっこう傷ついてるんですから!
てゆぅか、宮地さん、紹介してもらうほど、
絶対女の人に困ってないですよね⁉︎」


もう今日は無礼講だっ!
明日からの仕事が恐ろしいけど、
勝手に無礼講にして、
どんどん素で話してしまう。


「はぁ…おまえさ、
オレのコトなんだと思ってるわけ?」


「仕事できるけど怖いイケメンのモテ男…」


「おまえ、それ褒めてんの?けなしてんの?」


「…褒めてますよ。一応。」


「棒読みだぞ?」


あ…心がこもってないのは…バレた…。


わたしはまたお酒を一口飲んで、
わざと明るく次のことばを続けた。



これ以上フラれた話…したくない。



「モテるのは事実じゃないですか!
会社でも宮地さん狙ってる人、
いっぱいいますよ。
いーな♪モテ男はーーー!」


「じゃ…オレと付き合うか?」


「へ…?」


「…”へ”ってなんだよ?イエスか?ノーか?」


「そうじゃなくて…あの…今なんて…?」



わたしの耳が間違ってなかったら…



「あ⁈何回も言わせんな!轢くぞ!」



だから、轢くってどうやって……



「ったく…オレと付き合うか?っつったんだよ!
ちゃんと聞いとけ‼︎アホ‼︎」


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