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〜Mint Candy Story〜

第44章 -紹介-(黄瀬/宮地)


「あの…えっ…と…」


なんで宮地さん⁈わたし何か間違えた⁈
でも、あやめにはお店に入る時は、
わたしの名前言うように言われたし、
自分の名前を間違えるなんてありえない。



あの店員さん、案内する席間違えたんじゃ…⁈



そう思って思わず入り口のほうを見てしまうが、
わたしの微かな希望を打ち砕く
宮地さんのことばが耳に届いた。


「間違えてねぇよ。」


「…っ⁈」


ウソ…?
じゃあ、あやめが紹介してくれるのって、
ほんとに宮地さんなの…⁈


「つぅか、さっさと座って飲み物決めろよ!
埋めんぞ‼︎」


「…っ⁈は…はい‼︎あの、生で‼︎」


埋めるってドコに?
って1度でもいいからツッコミを入れたい…
そう思って早何年だろうか?
もちろん今日もそんなツッコミはしない。


わたしは座るのと同時に
メニューも見ずに生ビールを頼んだ。


「はぁ…。ん!」


「…?あの?」


宮地さんは飲み物を決めたわたしに、
なぜか飲み物のメニューを差し出していた。


「おまえさぁ…接待じゃねーんだから、
好きなの飲めよ。」


「え…?」


思わず宮地さんを見つめてしまう。


「…‼︎…おまえ、ビール苦手だろ?」


宮地さんはぷぃとわたしから視線をそらすと
飲み物のメニューをパラパラし始めた。


「なんで知って…⁉︎」


「おまえ、生飲むの、
いつも最初の1杯だけだろ。
まぁ、注がれたら飲んでんだろうけど。」


たしかにビールは苦手。
そもそもお酒はそこまで得意ではない。
でも、会社の飲み会や接待では、
ビール以外を最初に頼むと、
乾杯までに時間がかかってしまうから、
いつも最初は生ビールを頼む。



でも、そんな話、
宮地さんにしたことないのに…。



「どれにすんだよ?早く決めろ。」


「あ…あの、でも、大丈夫です!
飲めないわけじゃないし、
お待たせしちゃったし、早く頼ま…」


「あ⁈うっせぇ‼︎いいっつってんだろ⁈
さっさと選べよ。轢くぞ!」


「…⁈はい‼︎えっと…」


すごんでくる宮地さんに圧倒され、
宮地さんが見せてくれているメニューを見る。


「…あんず酒の…ソーダ割りで…」


たまたまかもしれないけど、
開いていたページは果実酒のページだった。





わたしが好きなお酒のページ…

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