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〜Mint Candy Story〜

第44章 -紹介-(黄瀬/宮地)


-先輩*宮地清志story-


あやめに指定されたお店は、
落ち着いた和食のお店だった。


彼氏にフラれたからって、
次の人を急いで探してるわけじゃない…
何度もあやめに言ったのに…


そう言いながらも、
仕事も忙しいし、出会いがその辺に
ゴロゴロ転がっているわけでもないし、
あやめが言っていた
「すみれの理想のリクエスト、
全部入ってる人だから!絶対‼︎」
ということばもちょっと気になるし…
あやめのことばを確認するくらい…
ちょっとした好奇心というか…
うん‼︎それを見に行くだけ…



そう思っているくせに、
お店に入る前に化粧室に寄って、
普段はしない化粧直しをしてしまう。



待ち合わせの時間まであと5分あるし…



自分のソワソワした気持ちに
また言い訳をして、鏡を覗き込んだ。


普段は纏めるだけの髪を下ろし、
いつもより少しだけメイクをしっかりしてきた。


ファンデーションを直し、
いつもの口紅を付けようと思って、手を止めた。

元彼のことばを思い出して…。

次のデートで使おう、
そう思って買ったのに
1度も使わなかった口紅…。


これから会う人は初対面だし、
どうせ続かない。


今日1度きりしか会わない人なんだから…


そう思って、新品の口紅をそっと付けた。


もう1度鏡を覗き込む。



うん…いつものわたしじゃない。


だから、大丈夫!


待ち合わせの時間ピッタリにお店に入り、
店員さんに個室へ案内されると、
相手の方のほうが先に来ていたみたいで、
部屋にいた男性は奥の席を開けて
ドアに背を向けて座っていた。


「お連れ様を御案内しました。」


店員さんがそう声を掛けたけど、
男性は頷くだけでこちらを向かない。


それでも、後ろ姿だけでも
スタイルがいいのがわかり、
これはあやめのことばに期待できるかも♪
なんて、少しテンションがあがった
現金なわたし…。


店員さんが部屋を出たのを見計らい、
空いてる奥の席に行った。


「お待たせしてしまってすみま…⁉︎」





あがったテンションは一気に下がった。
下がったというか頭真っ白…



「よう。」


そこにいたのは、会社の先輩…
正確には怖い怖い怖い会社の先輩…


宮地さんだった。

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