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〜Mint Candy Story〜

第44章 -紹介-(黄瀬/宮地)


黄瀬くんのことばに
ハッとして顔をあげると、
涙が頬を伝うのを感じ、
涙で濡れた瞳の目の前には
黄瀬くんのドアップがあった。


黄瀬くんはまた
わたしの横に移動してきたらしい。


「ごめんっス…。
オレのせいでイヤなコト、
思い出しちゃったっスよね。」


黄瀬くんは今度はわたしをギュッと抱き締めた。


「…っ⁈ちょっ…黄瀬くん⁈」


「オレならすみれを泣かせないのに…!‼︎」


「…っ⁈」


「すみれをフッた奴のためなんかに
涙、流してほしくないんス‼︎」


黄瀬くんはさらに強くわたしを抱き締めた。
そんな中でわたしの頭は混乱し続けていた。


元彼を思い出してしまった混乱と、
目の前にいる後輩のことばと温もりに
自分の心が落ち着いてしまっている混乱…


「黄瀬くん‼︎どうしたの?酔ってる?」


でも、わたしは自分の頭の混乱を必死で抑え、
これは酔った冗談だ…
そう思って笑いながら黄瀬くんから離れ、
黄瀬くんの顔を見上げた。


「お水もらおう…か…?」


「水…?いらないっス。」


黄瀬くんは酔ってなんかいなかった。
真剣な眼差しでわたしから目をそらさない。


「くれるなら、すみれがほしいっス。」


「…っ⁈」



…チュ。



「好きっス‼︎」


「黄瀬く…」


「オレじゃダメっスか⁈
オレ‼︎生意気だけど、ほんとに‼︎絶対に‼︎
すみれのコト、泣かせないっス‼︎だから…‼︎」


「ありがとう。」


生意気で正直ちょっと苦手な後輩だったけど、
素直に”ありがとう”ということばが出た。


黄瀬くんの真剣な気持ちはわかったから。


「…‼︎じゃあ、オレと付き合ってくれるんスね‼︎」


「え⁈あ、でも…えっ⁈今…から⁈」


「やったーー‼︎嬉しいっス‼︎
オレ、すみれのコト、絶対泣かせないし、
幸せにするっス‼︎」


「…‼︎」


まるでプロポーズみたいな告白…
そんな告白されたコト、今までにあっただろうか。


子どものように喜ぶ黄瀬くんに
わたしは何も言えなかったけど、
それから半年後、
今度はわたしから告白して、
わたしには正式に新しい彼氏ができた。




生意気だけど可愛い…




黄瀬涼太という





年下のイケメン彼氏が。




---End---



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