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〜Mint Candy Story〜

第44章 -紹介-(黄瀬/宮地)


「可愛い檜原さんの写メゲット〜♪」


黄瀬くんは嬉しそうに
わたしに写メを見せてくれる。


こんな状況でなければ、
キュン♡としてしまいそうな
それはそれは可愛い笑顔で…。


「ちょっ…‼︎消して‼︎」


でも、わたしにとっては
悪魔のような微笑みだった。


あんな写メ…
会社の人に見せられたら…⁈


恥ずかしすぎるーーーっ‼︎


「コレ、会社の人に見せられたくなかったら…」


そんなわたしの気持ちを見透かすかのように、
黄瀬くんは話しながら、
向かいの席から、わたしの隣に移ってきた。


身長が高いこと、体格がいいこと、
そんなことはわかっていたはずなのに、
近くに来ると、それを再認識させられる。


スッとスマートな身のこなしで、
わたしの肩を抱き寄せて、
黄瀬くんはことばを続けた。


「今日はオレに付き合ってくださいね?」


「…っ⁈」


それだけでもテンパってしまうのに、
黄瀬くんはわたしの目を
ジッと見つめながら、
ものすごい色っぽい表情でさらに囁いた。


「今日は帰さないっスよ?」


「…っ⁈」


悪戯っ子の子犬のような表情をした
黄瀬くんの顔が、どんどん近づいてくる…


ウソ⁈キスされ…⁈⁈




トントン…
「失礼します。お飲物をお持ち致しました。」



「ざーんねん♪お預けっスね♪♪」


黄瀬くんはそう言うと、
わたしの頬を撫でて優しい目で見つめ、
自分の席に戻って行った。


わたしが呆然としている間に
黄瀬くんは飲み物を持ってきてくれた
ウエイターさんに食事の注文を済ませてしまい、
あっという間にまた2人きりになってしまう。


「じゃ、ひとまず乾杯しますか♪?」


「…何に?」


わたしは観念して
黄瀬くんと食事をすることに決めた。


「すみれとの初デートに?」


「デートじゃないでしょ‼︎
それと、下の名前で呼ばないで‼︎」


「えー?でも、”檜原さん”じゃ会社っぽいしー。
すみれも”涼太”って呼んでいいっスよ♪」


「……。」


ああ言えばこう言う黄瀬くんをジトッと睨むと、
黄瀬くんはニヤリとしながら口を開いた。


「呼んでくんなきゃ、この写メ、
部長たちに送っちゃおうかなーー♪」


「…っ⁈」


「ほら…ほら…♪」


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