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〜Mint Candy Story〜

第42章 -電車-(青峰大輝)[後編]


「ウソ…⁈
ほんとに誕生日だったの⁈」


定期に書かれていた誕生日は
8月31日だった。


「ごめんね、疑って…」


わたしは思わず肩越しに
青峰くんを見つめてしまう。


色黒の肌…
意思の強そうな眉…
さっき来たときは、
ちょっと怖いくらいだったのに、
寝顔はあどけなくて、
大きな身体に似合わず、
どこか子どものようで…



どうしよう…




…チュ。




わたしは寝ている青峰くんに
吸い込まれるように
思わずキスをしてしまった。


キスしたい衝動を
止めることができなかった。


「誕生日プレゼント…
って言ったら、怒るかな…」


でも、青峰くんだって、
わたしに不意打ちでキスしたもん。


「怒んねーよ。」


寝ていたはずの青峰くんが、
顔をあげてわたしを見つめた。


「あ…青峰くん⁈起きて…⁈」


どうしよう⁈
恥ずかしいっ…わ、わたし…


「誕生日プレゼントなら…
キスだけじゃなくておまえがいい。」


そう言うと青峰くんは、
わたしをギュッと抱き締めた。


「…っ⁈」


「どうなんだよ?
誕生日プレゼント…何くれんだ?」


大きな大きな青峰くんの
力強い腕の中で、
わたしはなかなかことばが出ない。


「あの…えっと…」


「あ⁈」


「わ…わたしでよければ‼︎」


わたしも青峰くんにギュッと抱きつき、
真っ赤な顔を隠すようにしてこたえた。


「ふぅん。ま、もらっとくわ。」


「…っ‼︎なに、その言い方〜?」


わたしは恥ずかしかったはずなのに、
思わず青峰くんを見上げると、
ことばとは裏腹に
青峰くんは笑顔だった。



…ドキッ。




「すみれはもうオレのなんだろ?」




…チュ。




青峰くんはもう一度キスをすると、
力強く抱き締めてくれる。


「なぁ?すみれの誕生日っていつ?
これから?まだ?」


「え…?」


「すみれの誕生日プレゼントは…
オレやるよ。」





---End---


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