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〜Mint Candy Story〜

第42章 -電車-(青峰大輝)[後編]


「んじゃ、あの時の逆な。肩貸せ。」


…コテン。


「ちょっ⁈青峰くん‼︎」


突然青峰くんが、
わたしの肩にもたれてくる。


「耳元でキャンキャンうるせぇよ。」


「だって‼︎な…なん…⁈」


「今日、オレ、誕生日なんだよ。
誕生日プレゼントだと思っとけ!」


青峰くんは
そのまま目を閉じてしまう。


「そんな都合よく
誕生日なわけないでしょー?
だ…だいたい!あの時、
”肩貸したのチャラな”とか言って、
か…勝手にキ…ス…」


恥ずかしくなってしまい、
最後まで言うことが
できなくなってしまう。


「あ?なんだよ?」


わたしが言い淀んでいると、
青峰くんは
チラリとわたしに目を向けた。


うぅ…もうヤケだっ!


「キ…キスしたじゃない‼︎」


「ふぅん…忘れてなかったんだな。」


ニヤリと余裕の笑みを
見せた青峰くんは、
また目を閉じてしまう。


「ちょっ⁉︎青峰くんてば!
寝ないで!起きてってばー!」


あっという間にスゥスゥと
気持ち良さそうな
寝息が聞こえてくる。


「……?ほんとに寝ちゃった…」


さすがに動けなくて、
わたしは諦めて青峰くんに
肩を貸すことにした。


結局あのキスのことは
聞けないまま…



でも、寝顔はかわいいかも…。






…パサッ…




…?あれ?


青峰くんの制服の胸ポケットから
定期が落ちた。


むき出しで持っているのが、
なんとも青峰くんらしい。


青峰くんを起こさないように
そっと定期を拾う。



…っ⁈


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